シュリーマド・バーガヴァタム 1.16.22

kiṁ kṣatra-bandhūn kalinopasṛṣṭān
rāṣṭrāṇi vā tair avaropitāni
itas tato vāśana-pāna-vāsaḥ-
snāna-vyavāyonmukha-jīva-lokam

訳語

翻訳

名ばかりの政治家たちはカリ時代の力に惑わされ、国政を混乱状態に陥れています。あなたは今のこの無秩序な状態を嘆いているのですか。今では、食べたり、眠ったり、飲んだり、夫婦になる決まりに一般大衆は従わなくなり、どこでも無制限にそのような生活にふけっています。あなたはこのことが原因で不幸せなのでしょうか。

解説

下等な動物でも生きるために必要なこと、つまり食べること、眠ること、恐れること、交尾することがあります。これらの体の欲求は人間にも動物にもあります。しかし人間がその望みを満たすには、動物としてではなく、人間として満たさなくてはなりません。雄犬は人に見られてもいてもためらうことなく雌犬と交尾をしますが、人間が同じことをすれば違法行為と見なされ、法を犯した罰が与えられます。だからこそ人間には、たとえ同じ欲求を持っていても、従うべき規則や原則が用意されているのです。カリ時代に惑わされた人間社会は、そのような規則も原則も無視するようになってしまいました。現代人は、生活に欠かせない必需品を規則や原則に従わずに手に入れており、獣と変わらぬそのような害ある行為の結果、社会的・道徳的に堕落してしまった現況は確かに嘆くべき状態です。また現代では、父親も保護者も、子どもたちがしていることを嘆かわしく思っています。彼らが気づくべきことは、カリ時代の影響に毒された純真無垢な子どもたちが、忌まわしい交わりの犠牲になっている点です。『シュリーマド・バーガヴァタム』には、アジャーミラというブラーフマナの純真な息子が道を歩いていたとき、シュードラの男女がセックスする様子に魅了された話があります。その魅力の犠牲になった彼は、やがて道楽生活にふけるようになります。純粋なブラーフマナの境地から、見下げ果てた道楽息子に落ちぶれてしまいましたが、それは全て悪いつきあいが原因でした。当時は、アジャーミラというただ一人の犠牲者しかいなかったのですが、カリとなった現代では毎日のように、哀れで無知な学生たちがセックスに男性を引きつける映画の犠牲になっています。政治家と呼ばれる者たちも、クシャトリヤとして職務の訓練を受けたわけではありません。クシャトリヤは、ブラーフマナの本務が知識と指導であるように、管理する立場にいます。この節のクシャトゥラ・バンドゥは、文化的、伝統的訓練を受けずに政治家の地位に上り詰めた人間を指します。今彼らは、生活の規則や原則も知らない大衆に選ばれ、そのような高級官吏の地位にのしあがっています。本人が模範的な生活ができていないのに、果たして正しい人を選べるものでしょうか。ですからカリ時代の影響によって、どこでも、政治的に、社会的に、宗教的に全てが混乱状態にあり、そのため、良識ある人には全てが嘆かわしい状況になっているのです。