シュリーマド・バーガヴァタム 1.18.29
節
abhūta-pūrvaḥ sahasā
kṣut-tṛḍbhyām arditātmanaḥ
brāhmaṇaṁ praty abhūd brahman
matsaro manyur eva ca
kṣut-tṛḍbhyām arditātmanaḥ
brāhmaṇaṁ praty abhūd brahman
matsaro manyur eva ca
訳語
abhūta-pūrvaḥ—前例のない; sahasā—状況に応じて; kṣut—飢え; tṛḍbhyām—そして渇きによって; ardita—苦しめられて; ātmanaḥ—彼自身の; brāhmaṇam—ブラーフマナに; prati—~に対して; abhūt—~になった; brahman—ブラーフマナたちよ; matsaraḥ—嫉妬する; manyuḥ—怒る; eva—そのように; ca—そして。
翻訳
ブラーフマナたちよ。飢えと渇きという苦境に苦しめられた王は、今までブラーフマナに対して向けたことのない怒りと嫌悪感を、そのブラーフマナの聖者に向けた。
解説
マハーラージャ・パリークシットほどの王にとって、怒ったり嫌悪したりするのは、とりわけ相手が聖者やブラーフマナとあれば、前例がなかったはずです。パリークシット王は、ブラーフマナ、聖者、子ども、女性、老人は、何があっても処罰の対象にはならないことをよく知っていました。さらに王は、たとえ大きな間違いを犯しても、悪事を働いたことにはなりません。しかしこの場合、マハーラージャ・パリークシットは、自分の飢えと渇きのために、そして主の意志が働いていたこともあって、聖者に怒りと嫌悪感を感じています。王は、自分を冷淡に迎えたり無視したりする国民を処罰する権利がありますが、その相手が聖者やブラーフマナだったのですから、前例がありませんでした。主は誰をも嫌悪することのないお方ですから、主の献身者も、誰かを嫌悪することはありません。マハーラージャ・パリークシットがこのような態度をとった唯一の理由は、主が計画なさったことだったからです。