バガヴァッド・ギーター あるがままの詩 6.44

pūrvābhyāsena tenaiva
hriyate hy avaśo ’pi saḥ
jijñāsur api yogasya
śabda-brahmātivartate

訳語

翻訳

前世で神聖な意識を持っていた徳により
彼は我知らずヨーガの思想に魅せられる。
探究心の強いこのような超越主義者は常に
経典の示す宗教原則より高いところに立脚している。

解説

 精神的に高められたヨーギーは、経典が述べる儀式にあまり関心がない。しかし最高のヨーガ完成であるクリシュナ意識へと自分を高めてくれるヨーガ原則に、自然と魅せられていく。『シュリーマド・バーガヴァタム』(3-33-7)では、高い段階にある超越主義者がヴェーダ儀式に興味を持たない事実を、次のように説明している。
aho bata śva-paco ’to garīyān
yaj-jihvāgre vartate nāma tubhyam
tepus tapas te juhuvuḥ sasnur āryā
brahmānūcur nāma gṛṇanti ye te
 「我が主よ、あなたの聖なる御名を唱える者は、たとえ犬喰いの家系に生まれようと、精神的にとても高い段階にあります。そのような人は間違いなく、過去にあらゆる苦行を重ね、供養を行い、くまなく聖地で沐浴し、さまざまな経典を学んだに違いありません」
 これに関する有名な例として、主チャイタニヤのなさったことが挙げられる。主の最も大切な弟子のひとりに、タークラ・ハリダーサがいる。彼はイスラム教の家系に誕生したが、主の御名「ハレー クリシュナ・ハレー クリシュナ・クリシュナ クリシュナ・ハレー ハレー / ハレー ラーマ・ハレー ラーマ・ラーマ ラーマ・ハレー ハレー」を毎日30万回唱えるという厳格な誓いを貫いたため、主チャイタニヤは彼にナーマーチャーリャという高い位を与えた。そして主の聖なる御名を絶えず唱え続けた彼は、前世でシャブダ・ブラフマとして知られるヴェーダの宗教儀式をすべて行ったに違いないということがわかる。したがって、浄化されていないかぎり、人はクリシュナ意識の原則を守り、主の聖なる御名ハレークリシュナを唱えることはできないのだ。