シュリーマド・バーガヴァタム 1.16.5
節
śaunaka uvāca
kasya hetor nijagrāha
kaliṁ digvijaye nṛpaḥ
nṛdeva-cihna-dhṛk śūdra-
ko ’sau gāṁ yaḥ padāhanat
tat kathyatāṁ mahā-bhāga
yadi kṛṣṇa-kathāśrayam
kasya hetor nijagrāha
kaliṁ digvijaye nṛpaḥ
nṛdeva-cihna-dhṛk śūdra-
ko ’sau gāṁ yaḥ padāhanat
tat kathyatāṁ mahā-bhāga
yadi kṛṣṇa-kathāśrayam
訳語
śaunakaḥ uvāca—シャウナカ・リシが言った; kasya—何のために; hetoḥ—理由; nijagrāha—十分に処罰した; kalim—カリ時代の主(ルビ:ぬし); digvijaye—世界を旅していた途中; nṛpaḥ—王; nṛ-deva—王族の人物; cihna-dhṛk—~のように着飾って; śūdrakaḥ—シュードラの中で最も低い者; asau—彼; gām—雌牛; yaḥ—~である者; padā ahanat—足を叩いて; tat—その全て; kathyatām—説明してください; mahā-bhāga—非常に幸運なお方よ; yadi—もし、しかし; kṛṣṇa—クリシュナについて; kathā-āśrayam—主の話題に関連して。
翻訳
シャウナカ・リシが尋ねた。「マハーラージャ・パリークシットはなぜ、その男を処罰するだけにとどめようとしたのでしょうか。最下等のシュードラで、王の恰好を真似て、牛の足を打っていたような男を。もし、その話が主クリシュナと結びついているのであれば、その全てをお話しください」
解説
シャウナカとリシたちは、敬虔(ルビ:けいけん)なマハーラージャ・パリークシットが、この犯罪者をただ処罰するだけで、殺さなかったことを聞いて驚いています。これは、マハーラージャ・パリークシットのような敬虔な王ならば、王のように着飾って大衆をだましつつ、最も純粋な動物である牛を侵害しようとしていた犯罪者をすぐに殺すべきだった、ということを表しています。しかし当時のリシたちは、カリ時代が進むと、最下等のシュードラが管理者として選ばれ、牛たちを殺す食肉処理場を組織的に運営することなど想像すらできませんでした。いずれにしても、シュードラカという詐欺師、牛の侵害者のことなど偉大なリシたちには何の関心もなかったのですが、それでも、この話が主クリシュナに関わっているのであれば聞きたいと願ったのです。クリシュナと関連している話は聞くに値するからこそ、彼らの関心は主クリシュナについての話だけに向けられていたのです。『シュリーマド・バーガヴァタム』には、社会学、政治学、経済学、文化的事業など多くの話題が含まれていますが、その全てがクリシュナと結びついているため、聞くに値します。内容が何であろうと、クリシュナが全ての話を純粋にする主要な要素です。俗世界にあるものは、3つの俗な気質によって作られているため、全て不純です。しかしそれを浄化させる代表者がクリシュナなのです。