シュリーマド・バーガヴァタム 1.10.21

sa vai kilāyaṁ puruṣaḥ purātano
ya eka āsīd aviśeṣa ātmani
agre guṇebhyo jagad-ātmanīśvare
nimīlitātman niśi supta-śaktiṣu

訳語

翻訳

女性たちが言った。「私たちがはっきり覚えているとおりの根源の人格神が、今ここにおられます。主だけが、自然の様式が表される前に存在し、そして彼こそが至高主であるために、生命体は、主の中にのみ入り、夜眠るように、全ての動きを停止させます」

解説

創造された宇宙が消滅する方法には2種類あります。太陽年にして43億年が終わる度に、ひとつの宇宙の主であるブラフマーが眠る時に破壊が起こります。そして主ブラフマーの100年の生涯が終わる時、太陽年の計算で86億4千万×30×12×100年の終わりに全宇宙が完全に破壊されます。そのふたつの期間に、マハット・タットヴァと呼ばれる物質エネルギーとジーヴァ・タットヴァとして知られる境界エネルギーというふたつのエネルギーが至高主の中に入り、生命体は物質界が新しく創造されるまで主の体の中で眠り続けます。これが物質現象界の創造、維持、そして破壊の過程です。
物質創造は、主が機能させる物質自然の三様式の作用によって起こります。ゆえにここでは、物質自然が機能し始める前に、主は存在しておられたと言われています。シュルティ・マントラには、至高主ヴィシュヌだけが創造の前に存在し、そこにはブラフマーもシヴァも、他の神々も存在しなかった、と述べられています。このヴィシュヌは、原因の海に横たわっているマハー・ヴィシュヌのことです。主の呼吸だけで全宇宙が種として作り出され、やがてそれらの宇宙は、それぞれの中に無数の惑星を持った巨大な形へと発達していきます。宇宙の種は、ちょうど1本のバニヤン樹の種が無数のバニヤン樹に増えていくように、巨大な形になっていきます。
このマハー・ヴィシュヌは主シュリー・クリシュナの完全分身であり、『ブラフマ・サンヒター』で次のように述べられています。
「私は、根源の人格神ゴーヴィンダに尊敬の礼を表します。マハー・ヴィシュヌはその主の完全分身です。宇宙の生物の筆頭者である全てのブラフマーたちは、主の超越的体の毛穴から宇宙が放出された後、主が息を吐いている間だけ生き続けます」(『ブラフマー・サンヒター』5-48)
このように、ゴーヴィンダ、あるいは主クリシュナは、マハー・ヴィシュヌの源でもあります。このヴェーダの真理について話し合っている女性たちは、権威ある情報源から話を聞いたのでしょう。権威ある情報源だけが、超越的な主題を明確に知る唯一の方法です。他に方法はありません。
生命体がマハー・ヴィシュヌの体の中に入ることは、ブラフマーの100年の生涯が終わる時に自動的に起こります。しかし、それは個々の生命体が個性を失うということではありません。個性はそのまま存在し続け、主の至高の意志によって新たに宇宙が創造されるとすぐに、眠っていて不活発だった全ての生命体は、さまざまな立場における過去の人生の活動の続きを再び始めるために解き放たれます。その状態をスプトーッティタ・ニヤーヤ、「眠りから覚め、各自の義務を遂行し始める状態」と言います。夜眠っている時、誰でも自分のこと、自分の正体や義務、目覚めている時に関わること全てを忘れています。しかし、その眠りから覚めた瞬間、すべきことを思い出し、再び自分の仕事を始めます。生命体も宇宙が破壊される間、マハー・ヴィシュヌの体の中に入っていますが、次の創造が起こる時に目覚め、やり残した仕事を始めるのです。このことは『バガヴァッド・ギーター』(8-18〜20)でも確証されています。
主は創造のエネルギーが機能し始める前に存在していました。主は物質エネルギーの産物ではありません。主の体は完全に精神的であり、主の体と主自身に違いは一切ありません。創造の前、主は唯一絶対の自分の住処におられました。